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2011年 05月 09日
沖縄の新米軍基地建設と一体で在沖縄米海兵隊をグアムに「移転」させるという2006年の「日米合意」が、移転する海兵隊員の数を水増しし、日本の経費負担割合を低くみせていたことが米政府の秘密公電で明らかになりました。内部告発サイト「ウィキリークス」の公表資料で判明したものです。
日米両政府は、在沖縄米海兵隊の一部とその家族のグアム移転と一体で、新基地建設の受け入れを沖縄県民に強要しています。しかし「日米合意」が事実を偽ってつくられたことがわかった以上、「日米合意」は撤回すべきです。 兵員数や金額の水増し 在東京米大使館から米国務長官らあてに送られた秘密公電のなかでとりわけ重大なのは、08年12月19日の公電です。 「日米合意」は沖縄の海兵隊員は1万8千人で、そのうち約8千人とその家族約9千人がグアム移転すると明記しています。しかし秘密公電でこの数字がすべて水増しされたものであったことが発覚したのです。 在東京米大使館は秘密公電で、「(日米)双方ともこの数字が(実態と)かけ離れていることを認識していた」のに、「日本国内での政治的な効果を最大限引き出すために、意図的に大きく見積もられた」といっています。国会では日本共産党国会議員団などが、当時の沖縄には海兵隊員は1万3千人程度であり、移転も3千人程度にしかならないと追及していました。秘密公電はこの指摘を裏付けています。家族の数も水増しです。移転する数は実際にはわずかなのに、8千人といい、沖縄県民の負担軽減につながるといって県民を欺いてきた政府の責任は重大です。 グアム基地建設費の日米負担割合の不正操作も許せません。「日米合意」では基地建設費総額102億ドル(約8300億円)のうち日本の負担は61億ドルで、負担割合は59%です。これも米側負担41億ドルに軍用道路建設費10億ドルを含む形にすることで、日本側の負担割合を低くみせているだけです。 軍用道路は米軍にとって「絶対に必要なものと考えていない」のに米側負担に含めたのは、「全体の費用見積もりを増やし、日本側の負担割合を減らすため」と秘密公電はのべています。軍用道路建設費を除けば、日本の負担割合は66%です。米側が求めていた7割負担に近いものです。日米両政府がぐるになって日本国民を欺くなど、絶対に許されることではありません。 新基地計画断念せよ グアム基地の建設はもともと米軍の世界各地への軍事介入態勢を強めるためのものです。沖縄県民の負担軽減を口実にしてグアム基地建設への協力を進めるべきものではありません。国民を欺いた「日米合意」とそれを条約化したグアム移転協定をただちに撤回するのがあるべき態度です。 普天間基地の閉鎖・撤去を求め辺野古での新基地建設に反対する沖縄県民の総意にゆらぎはありません。菅直人首相が屈辱的な「日米合意」を継承し、6月下旬の訪米に向けて新基地建設強行の構えを強めるなら、沖縄県民はもとより国民のより大きな反発が避けられないことを直視すべきです。 政府は沖縄県民への押し付けをやめ、米政府に新基地計画の断念をこそせまるべきです。
by satoru_fishlv
| 2011-05-09 10:31
| 人権・平和
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